【書籍紹介】幸せなマルチーズの育て方
師走に入り、あわただしい毎日が続いています。そして気づけば中旬に差し掛かり、帰省日を指折り数える時期になりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。もりたさんちのマルチーズです。
最近のお問い合わせ状況
励ましのメッセージをいくつか頂きました。ありがたいことです。ご連絡いただいた方々には、遅くなっても必ず返事を返すようにしています。もし当犬舎に連絡を入れたにも関わらず、返答がない場合は、何らかの理由でメッセージが届いていない可能性があります。そういった場合は、遠慮なく直接、お電話を下さいませ。
また度々掲載していますが、当犬舎自慢のアンナ(女の子)とアンディ(男の子)の交配が終わっています。少しずつお腹も大きくなっているような(願望)。
クリスマスの時期に結果がわかります。あとは只々祈るのみ。うまくいけば1月末の出産になります。お問い合わせお待ちしております。
最近のもりたさんちのマルチーズ
ここ数日、比較的暖かい日が続きました。当犬舎に明るい陽が入り、暖房を使用しなくても犬舎内がポカポカ陽気になるため、我が家のマルチーズたちも気持ちよさそうに寝ています。それでも夜は10度以下になる事もありますので、エアコンを使用して調整しています。妊娠しているかもしれないはアンナは、身体を冷やしてはいけないので、特に気を配っています。
KiaOra DOG ラム&サーモンが届きました
数日前、当犬舎で使用するニュージーランド産のプレミアムフードのひとつであるKiaOra DOG ラム&サーモン(KiaOra | BACK TO BASICS)が届きました(もりたさんちのマルチーズの会員制サイトでも、特別価格で販売しています)。
今回購入したKiaOraは1袋で9.5kgもある大袋で、ほぼ業務用といっても過言ではない大きさでした。このような大きな袋に詰められたドッグフードを見たのは、子供の頃にホームセンターで平積みされていた「ビタワン」くらいでしたが、まさか大人になって自分が購入することになるなんて思ってもみませんでした。当犬舎は他にも併用しているニュージーランド産のフードが多数あるのですが、それでも今回購入した、このKiaOra、当犬舎のマルチーズたちは、おそらく3か月程度で、食べきってしまうと思います。
フード選びでわかる犬舎の姿勢
・どういったフードを利用しているのか
・なぜ、そのフードを選んでいるのか
フード選びから、ブリーダーの犬舎運営に対する意識が読み取れます。フードはいわば物差しです。犬舎が劣悪な環境なのに、与えているフードは高価なプレミアムフード、そんなわけがありません。
逆も然り、犬舎の運営に貢献してくれているパートナーである犬たちに少しでも、体に良い食事をさせたい、心身ともに満足して欲しい、そのような強い気持ちがあるからこそフードのコストは無視できるのです。そのようなブリーダーが犬舎を人に見せられないような、劣悪な環境にしているわけがありません。
当犬舎では、少しでも製造日が新しいフードが欲しいので、販売元のレッドハートから直接取り寄せをを行っています。もちろん会員制サイトで販売しているフードも、注文があってから発注します(犬舎で在庫を持っておりませんので、発送には数日頂いております)。
もりたさんちのマルチーズのこだわり
今回購入したニュージーランド産フードの大袋ですが、実際に購入するのはごく一部のブリーダーくらいだろうと思います。「一部」と表現したのは、フードというのは、直接犬舎の運営コストに繋がるからです。
普段から犬舎でどのような食事をさせているか、お客さまや飼い主さまにわざわざ伝えなくても犬舎運営は可能です。トレーサビリティ(「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにし、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること)を確実に行い、高い安全性を保証し、栄養価が緻密に考えられているだけでなく、本当の意味で犬たちが幸せに食事できる、そんな手間のかかったフードを、大切なパートナーである犬たちに与えるブリーダーはなかなかいません。
フードにコストをかけたくない悪徳ブリーダーの本音
「フードはコスト」という意識を持っている時点で既に「犬は家畜」くらいにしか考えていない証拠です。
ブリーダーの判断ひとつで、質の低い国産フードやフードメーカーから拡販用に提供される無償フードに切り替え、運営コストを下げることが可能です。
あるいはアフェリエイトで販売されているような、成果報酬型の自称プレミアムフードを低コストで仕入れ、平気な顔をして販売し、後にキックバックを得る事もブリーダーの判断ひとつです。
ペットショップではさらに劣悪です。ブリーダー、ペットショップ、全国のあらゆる施設で1kgあたり3,000円以上もする高価なフードなど、与えられているわけがありません。理由は簡単です。先ほども申し上げた通りコストがかかるからです。「犬は家畜」そういった意識があるからこそできる所業です。
もちろん盲目的に高価なフードすべてが良いとも思いません。マルチーズたちのことを考えた結果「たまたま選んだフードが右から左まで高価であった」が回答になります。しかし、わたしたちはそれでも構いません。
応援してくれるマルチーズ・ファンがいらっしゃるから。
わたしたち、もりたさんちのマルチーズは、このこだわりは絶対に捨てません。お客さま、飼い主さま、犬は、マルチーズは、決して家畜ではありません。紀元前から人と寄り添い、幸せを与え続けてきた、人類の友達であり、人生の伴侶です。
私たちブリーダーは多くの犬たちと過ごすなか「犬とは何か」という本質を忘れがちになりますが、現代も大昔も常に犬たちは、時に必死に、時に健気に、人々を幸せに導こうと努力したきた稀有な存在です。もりたさんちのマルチーズは、そういった犬たちの努力を忘れません。そして、世界中のひとたちを、我が家のマルチーズで幸せにしていきます。
【書籍紹介】幸せなマルチーズの育て方
いつも通り前置きが大変長くなってしまいました。今回は、ずっと始めたかった書籍紹介の記事になります。現在は絶版となっていて、入手困難な本を数冊所有しているのですが、是非この機会にご紹介したいと思っていました。次回以降にご紹介したいと思いますので、楽しみにお待ちください。そして、今回は軽くジャブ程度に「幸せなマルチーズの育て方」をご紹介したいと思います。といっても内容は軽いものではありません。皆さまにもお薦めできる大変良い内容でしたので、書籍紹介記事のトップバッターを務めてもらいました。
●基本情報
出版社:メイツ出版
発売日:2022/2/28
単行本(ソフトカバー): 128ページ
寸法:14.8cm x 1cm x 21cm
監修者:髙尾 諭
価格:¥1,630
この本は数年前にamazonで購入しました。購入当時はまだ発売されたばかりの本でした。内容はとにかく犬種「マルチーズ」だけに絞った本です。
この「ある犬種に絞った本」というのは、当然、市場に必要なだけのファンやニーズが存在しないと、出版しても赤字になるだけなのですが、こうやってマルチーズの専門書が新たに出版される状況に対し、とても幸せに、心強く感じます。
1986年から15年間登録頭数ナンバー1という不動の順位を維持し続けたのは伊達ではないです。
内容と目次
本のタイトルの一部が「育て方」とあるので、ついつい初めてマルチーズを家族に迎え入れる飼い主さまを対象にしたような、いわゆる「飼育本」かと勘違いしてしまうのですが、実はそうではなく、歴史的な背景や躾やトレーニングの方法、罹患しやすい病気、自宅でのトリミング方法などなど、マルチーズの一生を通して、網羅的に解説されています。また一部かなり深く踏み込んだ内容もあるため、玄人も納得いく内容となっています。既にマルチーズと生活を共にしていらっしゃる飼い主さまにも、お薦めできる内容なので、機会があれば一度、読んでみて欲しいと思います。
●目次
Ⅰ. その歴史とスタンダード
【マルチーズの歴史】
・ビション族の一種 起源は紀元前6000年とも
・紀元前5世紀頃にはローマのすべての貴婦人たちのペットになる!
【マルチーズのスタンダード(犬種標準)】
・犬の体の仕組みを知る マルチーズの体の各部位の名称を覚えよう
Ⅱ. パピー&ジュニア期
【子犬はどこから購入する】
・子犬の入手時期は生後2カ月以降がベスト!
・実際に選ぶ場合の選択ポイントとは
【パピトレ】
・家に来たその日からトレーニングは始まる
・全身を触っても嫌がらない犬にしていくことが大切
・トイレトレーニングは決して叱らないことが重要
Ⅲ. アダルト期の生活
・体調や季節によって食餌内容を考える
・ポッチャリがかわいい?犬が太るのは飼い主の責任!
・体調不良や病気を早期発見するには
【お手入れ】
・グルーミングの基本!ブラッシング術
・地肌まで乾かすことがドライングのコツ!
Ⅳ. シニア期の過ごし方
・春2月(立春)・3月・4月・5月(立夏)
・秋9月(白露)・10月・11月(立冬)
・体の変化に対応する栄養素を
・毎日の生活のなかから意識していこう
・シニア期に見られがちな病気
監修「高尾諭」という人物
私はこの本を通じて、高尾諭氏の名前を知りました。ブリーダー歴は40年(中田公子ブリーダーと同じです)と大変長く、活動されているようで、プロのトリマーとう一面も持っている方のようです。
ここで少し書籍に書かれた高尾氏の「はじめに」を引用させていただきます。
実に永きにわたり、マルチーズは多くの人々に愛され続けています。その歴史は紀元前3千年以上とも言われています。 愛され続けているその訳は、愛らしいすべてのパーツがピタリとハマり、「パズルの完成と言えるからです」。 容姿、性格、サイズと、人々に愛される犬になっています。これらは永いブリーディングの成果と言えるでしょう(途中省略)
日々の手入れがあってこそ、マルチーズが何千年も、女王や貴族を含め、世界中の人々に愛されるキャラに昇りつめた所以です。その代表的なパーツが、白い絹糸状の被毛と、ブラックポイントとのアンサンブルです。ブラックポイントはブリーディングの範疇ですが、パールホワイトのシルキーコートは、飼い主たちによって作られていきます(途中省略)高尾諭監修「幸せなマルチーズの飼い方」より
ブリーダーも飼い主さまも心響くまえがき
この文章を読んで、なんて素晴らしい人物なのかと感銘を受けました。主に関東地区で活動されているようで、機会があれば、マルチーズについて、お話をお伺いできれば幸いです。
系統「ビション」(英:Bichon)
「幸せなマルチーズの育て方」にも説明がありますが、マルチーズはビション系統であるってご存じでしたでしょうか。
系統「ビション」
- ビション・ハバニーズ(ハバニーズ)
- ビション・ボロニーズ(ボロニーズ)
- ビション・フリーゼ(ビション・フリーゼ)
- ビション・マルタ(マルチーズ)
ビション系統は「ハバニーズ」「ボロニーズ」「テネリフェ」「ビション・マルタ」の4種類に分けられていました。その中で船乗りがカナリア諸島のテネリフェ島に持ち込んだとされている「テネリフェ」が後のビション・フリーゼとほぼ同じ犬種といわれています。
ここで簡単に画像とWikipediaの内容も引用しながら、このビション系統に属する4犬種について説明します。
●ハバニーズ(英:Havanese)
・原産:キューバ
・体高:23cm – 32cm
・体重:3kg – 7kg
・毛色:ホワイト、ミルク、クリーム、ゴールド、シルバー、ブルー、ブラウン、ブラックの単色かそのいずれかの2色の組み合わせ
・寿命:14歳 – 16歳
・性格:愛情深い、 遊び好き、 聡明、 敏感、 親しみやすい、 穏やか
ハバニーズ(英:Havanese)は、キューバ若しくは地中海西部を原産とする愛玩犬種です。原産地は一般的にはキューバとされているようですが、犬種名にもある「ハバナ」で生まれたとされる地中海西部を原産地とする説もあります。
ビション・ハバニーズ(英:Bichon Havanese)と呼ばれることもあり、キューバ原産のオリジナルの姿を再現した犬種は「ハバナ・シルク・ドッグ」と呼ばれ、別犬種として扱われています。
全身が縮れた綿のようなシャギーコート(むく毛)が覆っており、毛色はホワイト、ミルク、クリーム、ゴールド、シルバー、ブルー、ブラウン、ブラックの単色か、そのいずれかの2色の組み合わせとなっています。
マズルと脚は短く、耳は垂れ耳、尾は背中に背負った巻き尾で、耳と尾にも飾り毛があります。体高は23cm – 32cm、体重は3kg – 7kgの小型犬で、性格は優しく愛情深いですが、警戒心が強いです。また、運動量は多くはありませんが、毎日コートの手入れを行う必要があります。
●ボロニーズ(英:Bolognese)
・原産:イタリア(ボローニャ)
・体高:25cm – 30cm
・体重:2.5kg – 4kg
・毛色:ピュア・ホワイト
・寿命:12歳 – 14歳
・性格:真面目、 素直、 積極的、 内気、 忠実
ボロニーズ(英:Bolognese)は、イタリアのボローニャ地方原産の愛玩用の犬種です。英表記に従ってボロネーゼと呼ばれることもあります。
11世紀頃から存在していたといわれている古い犬種で、ビション系犬種と血統的なかかわりを持つ犬種で、マルチーズと同じく貴族のための抱き犬(愛玩犬)として、古くからボローニャ地方で高い人気を誇っていました。
人間の貴族のように非常に大切に扱われており、日本でも愛好家によりブリーディングは行われていますが、マルチーズやビション・フリーゼのように人気犬種ではないこともあり、純血種のボロニーズの国内頭数は年々減少しています。
耳かきの梵天を思わせるような、縮れ気味でふわふわとしたボリュームのあるシャギーコート(むく毛)を持った犬で、この毛は抜けにくくて臭いが少なく、低アレルゲンであるため犬アレルギーを持つ人でも飼育することができると言われています。
毛色は通常ピュア・ホワイト(純白)ですが、ごくごく稀にホワイト・アンド・ブラックの犬も生まれます。マズルは細く短めで、鼻と円らな目は黒々しており、脚や体はコートに隠れて見にくいですが、細く華奢です。
耳は垂れ耳、尾は巻き尾で、尾には豊かな飾り毛があります。体高25cm – 30cm、体重2.5kg – 4kgの小型犬で、性格は基本的には温厚で人懐こいです。いたずらが好きで運動量は多め、マルチーズとは違い、あまりお年寄りには向きません。
●ビション・フリーゼ(英:Bichon Frise)
・原産:フランス/ベルギー
・体高:25cm – 29cm
・体重:5 – 10kg
・毛色:ホワイト
・寿命:12歳 – 15歳
・性格:社交的、従順、陽気
ルネッサンス時代にイタリアからフランスに持ち込まれた、フランス原産の犬です。「ビション」はマルチーズ「フリーゼ」は巻き毛という意味になります。特徴は純白の巻き毛です。その起源は古く、14世紀にはその存在が認められていました。
体重は5kgから10kgで個体差が大きい犬種です。地中海沿岸で「バルビー」と呼ばれていた大型のウォータードッグとマルチーズを掛け合わせて作られたのが起源となり、この掛け合わせは「バービションズ」という系統として確立され、その後「ビション」と省略されました。
知らない人や犬に対して、とても社交的です。順応性が非常に高く、飼いやすい犬種ですが、小型犬であるにもかかわらず非常に活発なため、ある程度の運動が必要となります。個体にもよりますが、階段の上り下りなど、本来、犬が苦手とする運動も軽々とこなします。
長生きするため、長く付き合う覚悟が必要です。大型犬とも上手にコミュニケーションを取ることができるため、犬同士での喧嘩をあまりしません。
●マルチーズ(英:Maltese)※写真は当犬舎のケイツ
・原産:マルタ/中央地中海沿岸地域
・体高:20cm – 25cm
・体重:3kg – 4kg
・毛色:ピュア・ホワイト
・寿命:12歳 – 15歳
・性格:活発、愛情深い、穏やか、知的、遊び好き、聡明、恐れ知らず、素直、おおらか、優しい
マルチーズは愛玩犬として飼われた犬種として、もっとも古い歴史を持っています。歴史的絵画にも多数登場することから、その歴史は紀元前1500年頃とも3000年頃とも言われ、貿易の中継点だったマルタ島にフェニキア人の水夫たちが持ち込んだ犬が元になっているとも言われています。
しかし、マルチーズという犬種名は、この犬種がマルタ島を起源とするという意味ではありません。形容詞である「マルチーズ」とは、隠れ家もしくは港を意味するセム語の「málat」に由来しているからです。
エジプトの王が、マルチーズに金の器で食事を与えていたという逸話もあることが知られており、14世紀初め、初めてイギリスに持ち込まれ、上流階級の婦人たちから「抱き犬」として高い支持を受けました。特にヘンリー8世はマルチーズを溺愛していたという記録が残されています。15世紀にはフランスに渡り、一躍流行犬となり、破格の値段で取引されていました。
大きさについては体高20cm – 25cm程度、体重は2.5kg – 3.2kgが理想とされます。被毛は光沢のある純白のものがほとんどですが、白以外の毛色を持つ個体もいます。例えば、レモンと言われる種類の毛の色の個体は、黄色がかった白色をしており、あるいはタンと言われる種類の薄いベージュ色の白の毛色の個体も見られます。
毛色に関わらず下毛(アンダーコート)のないシングルコートの直毛であり、上毛(オーバーコート)しかないマルチーズは、季節による換毛がないため、抜け毛が少ないことが特徴です。
性格は活発で、愛情深く、非常に穏やか。加えて、とても知的です。人という生き物が大変好きで、何事にも中庸でコントロールしやすく、従順です。このようなことから、初心者でも飼いやすいとされ、また、抱き犬として知られ、甘えたがりです。
日本では、本来持っている性格「明るく、外交的」とは逆で「繊細・内弁慶・シャイ」と説明されていることがありますが、これは、社会化トレーニングをさせる機会を設けられないマルチーズが多いからであるといわれています。
積極的にいろんな人や犬とコミュニケーションをとり、また、散歩に連れ出し、土や草に触れたり、往来の車や電車の音を聞いたりしながら、心のキャパシティを広げる社会化トレーニングを実践することを心掛けるべきです。
ビション系統に属するマルチーズ
マルチーズはこのビション系統に属します。ビション系統に属する犬種はいずれも古い歴史を持ち、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは、このビション系統のルーツは紀元前6000年と推定しています。シュメール文明まで遡る、最古の犬種と言われる「サルーキ」とその時期は近いといえます。
●サルーキ
サルーキ(英語: saluki)は狩猟犬の一犬種。飼育犬中でおそらく最も古い犬種として知られ、純血種としてその歴史はおよそ7000年溯ることが出来る。
マルチーズのルーツに思いを馳せる
世界最古の愛玩犬であるマルチーズのルーツがビション系統にあり、そのビション系統が世界最古の犬種と同時期であることにロマンを感じざるを得ません。
犬舎「ジャルダン・スペシャル」
少し、犬舎についても触れておこうと思います。
この「幸せなマルチーズの飼い方」を監修している高尾諭氏が、運営する犬舎が「ジャルダン・スペシャル」です。このマルチーズという業界は少し前まで「ジャルダン系」か「バンビ系」か、もしくは「それ以外」か、と分かれているくらい血統がすみ分けされている状態でした(現在は入り乱れています)。
犬種「マルチーズ」に限らず、このブリーダー界隈は、とにかく狭く、何かと外部から飛び込んでくる者に対し、排他的構造を持つ典型的な村社会です。
そういった状況でも、このジャルダン・スペシャルに近しい犬舎、おそらくお弟子さんでしょうか、もしくはファミリーブリーダーでしょうか、おそらくそのような存在であるジャルダン・クイーンの松本洋子さんには、当時、血眼になって最高のマルチーズを探していたとき、大変親切にしていただき、とてもありがたかったことを覚えています。
現在、インターネットで検索すると、ジャルダン・スペシャルの犬舎情報は見つけられません。ジャルダン・スペシャル・エンジェルJPなど、ジャルダンの名を冠した犬舎の情報は出てきます。また、ジャルダン・クイーンに関しても、みんなのブリーダーで活動されていたようですが、2022年夏頃あたりから、目立った活動がないように思います。
犬舎「エッフェルゼント・バンビ」
ジャルダンに触れたので、もうひとつの老舗犬舎にも触れておきたいと思います。
横浜にある、犬舎「エッフェルゼント・バンビ」昭和中期から活動されている大変古いマルチーズ専門の老舗犬舎です。昭和の時代は、海外の良質なマルチーズの精子が数億円で取引されていたそうなので、そういった時代を生きてきた人たちからすれば、現在マルチーズを取り巻く環境というのは、憂うべき状況なのかもしれません。
現在は、高齢になられたため、主な活動はファミリーブリーダーが行っている様子です。
あえて名前は伏せますが、関係者が「昔はジャルダンも良かったけど、最近はダメね」と言っていたので、それなりに犬舎同士でも確執があるのかな、とは思いました。
バンビの活動内容は、注意深く見ています。ご本人から「活動内容をよく観察して勉強するように」と仰っていただいております。そして大変勉強になっています。良い部分はしっかり、私たちの取り組みに反映させています。
私たちは、このような老舗犬舎を相手に、最高のマルチーズを作出しようと取り組んでいるわけですが、そのためには愛情深い飼い主さまの応援なくしては成し遂げられません。
良かったところ
とにかく浅くとも全体的にマルチーズの情報が網羅されているところが良かったです。この手の書籍は、肝心な情報が抜け落ちていることがよくあるのですが、歴史から始まり、標準犬種の説明、パピー期に入り、その後の人生における、食事方法や、病気、シャンプーやトリミング、マルチーズを取り巻く環境、出産まで記載がされており、それほど分厚い本でもないにも関わらず、内容は十分なものでした。また挿絵も充実しており、マルチーズが描かれた歴史上の絵画も使用されていたりと、しっかりした内容に仕上がっていると思います。
悪かったところ
悪かったところは正直ありません。それくらい内容が良かったと言えます。しかし、それでは批評にならないので、もう少しこうだったらという点を考えました(身の程知らずな気がしてしまうのですが)価格設定が税別で1,630円なので、もう少し下がって1,280円くらいだったら、とは思いました。
まとめ
内容を詳しくここで説明すると、もはやこの本を買う意味が薄れてしまうので、具体的な内容を記すのは避けておくのですが、やはり内容から溢れ出るマルチーズ愛を感じざるを得ません。
全編を通して、大変良い内容で、当犬舎のホームページを制作する際にも、参考にさせていただきました。マルチーズと友に生活を送る一家に一冊といっても過言ではありません。
今後の予定
今年も残すところあと2週間となりました。年末にアンナの妊娠という幸せな情報をお伝えできれば、2023年の締め括りができると思います。
今回はこんなところで
年内はあと1回か、2回、クリスマス時期にアンナの検診結果と、最後に2023年を振り返って、記事を掲載したいと思います。
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全世界がマルチーズで繋がりますように。