大阪の寝屋川市で発生した事件について

    大阪の寝屋川市で発生した事件について

    皆さま、もりたさんちのマルチーズです。春も近いと思わせるようになりましたが、お変わりはありませんでしょうか。いつもはメインのテーマに移る前に、冒頭で最近のお問い合わせ状況や、最近のもりたさんちのマルチーズの犬舎の様子からご報告させていただいているのですが、今回は、省略させていただき、少し重いテーマについて記事にします。

    実は、アンナの妊娠に水を差すことになりかねないため、この話題を取り上げるのを控えておりました。今回のテーマは2023年2月に大阪の寝屋川市で、300頭以上の犬猫を虐待していたブリーダーが女優でも有名な杉本彩さんが理事長を務める公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの告発を受け、とうとう逮捕されたという話です。

    フィスドシェリーの事件は氷山の一角

    わたしがこの虐待事件について知ったのは、ヤフーのニュースでした。仕事柄よく大阪には行くので「寝屋川」と聞いて、すぐに近い場所で起きた事件であるとわかりました。もしご存じでない方がいらっしゃいましたら、インターネット検索でキーワード「寝屋川」「犬」「虐待」と検索してみてください。記事内でも紹介しますが、大変悲惨な事件であったことが推測できます。

    まず事件についてまとめてみました

    事件の概要(引用)

    約10年前より繁殖業を営んでいたこの事業者は、2階建ての施設に少なくとも350頭もの犬を飼育。多くの金網ケージに犬が2、3頭ずつ入れられており、それが3段に積み重ねられ、所狭しと並べられていた。これだけの数の犬達を数名の従業員でお世話していたため、全ての犬に給餌が行きわたらず、成犬は1日ご飯なしの日もあったという。1日一回の食事に興奮しケージの扉を開けた瞬間に飛び出し落下。そのまま亡くなってしまった犬もいた。飼養環境の悪さや人手が足りない事などが原因で、子犬が産まれても相当数が命を落としていたと言う。夏場の部屋の温度は30度、湿度は80%前後で、臭気は目に染みるレベル。余りの暑さと臭いに体調を崩す従業員もおり、臭気と犬の鳴き声は建物の外からも確認ができた。また、犬は何らかの疾病を抱えており、耳ダニは勿論、膝蓋骨脱臼(パテラ)や、重い心臓病を患いながらも繁殖犬として使用されていた。疾病があっても病院には連れて行かず、引き取った方が高額な医療費を負担するという状況だった。

    2023年3月、公益財団法人動物環境・福祉協会Eva「大阪府寝屋川市 犬の繁殖業者を虐待罪で刑事告発」より

    逮捕・起訴に至るまでの経緯

    ・2021年9月
     大阪府寝屋川市にある犬の繁殖事業者の不適正飼養について福祉協会Evaに相談あり
    ・2021年12月
     大阪府動物愛護管理センターへ情報の提供と今後の対応について問い合わせ
    ・2022年11月
     事態が改善せず1年が過ぎたため動物愛護管理法違反(同法第44条2項、愛護動物虐待罪)で告発
    ・2023年2月
     犬の劣悪繁殖業者 動物愛護管理法違反の疑いで逮捕
    ・2023年3月
     犬の劣悪繁殖業者 動物愛護管理法違反で起訴

    事件を知らせる記事

    衰弱したチワワやポメラニアンなど放置、繁殖業者逮捕…寝屋川 | 読売新聞

    「子犬が朝カチカチになり死んでいる」動物虐待の疑いでブリーダーの女逮捕 杉本彩さん代表の団体が告発 | 特集 | 関西テレビニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ

    橋本千代子繁殖施設は大阪府寝屋川市「冷凍庫いっぱいだわ」劣悪ブリーダー | ラビニュース

    2年近くもかかって結果を出せなかった行政

    経緯を見てもらうとわかるのですが、最初はEvaも行政に情報提供しているようです。しかし行政は現状を改善できず。やる気がなかったのか、できなかったのか。ここから判明する事は、行政はあてにならないという事実です。しびれを切らしたEvaは行政に三行半を突きつけた形になりました。

    容疑者について

    (動画内)容疑者の女性「わんちゃんのこと中心にさせてもらってるんで、お客さんはそのあとです。ごめんなさい」

    どの口が言ってるのでしょうか。

    寝屋川市の犬の繁殖業者「フィスドシェリー」とは

    会社名:フィスドシェリー
    所在地:大阪府寝屋川市 上神田2-10-24

    画像を拡大してみた

    「わんちゃんを、お安くおゆずりします。お問い合わせ下さい。090-8142-0024」の貼り紙

    断言しておきます「生体価格の安さ」をセールスポイントにしているブリーダーおよび繁殖業者に、まともな感覚の人間はいません。

    なぜわざわざ電話番号の部分を拡大したかというと、このあとに繋がります。

    姉妹店?門真市の「フィスドガレス」との繋がり

    会社名:フィスドガレス
    所在地:大阪府門真市殿島町20-6 20-6-1-1階 水野ビル

    フィスドシェリーには寝屋川市に近い門真市にも、別の名前で、系列店と思わしき店がありました。インターネットだけの情報を鵜呑みにはできませんが、真偽のほどは別として、こちらの店の上層階でも同じく劣悪な環境で犬たちが飼育されているという情報がありました。

    本当なのでしょうか。まずフィスドガレスのフェイスブックを確認すると、上記のフィスドシェリーで問い合わせ先に使用していた容疑者の電話番号と同じ番号が告知に使用されておりました。担当の名前も容疑者の名前と一致します。ここでフィスドシェリーと繋がっている事がわかりました。

    フィスドガレスのfacebook

    フィスドガレスのfacebook

    経営者は同じですが「別店舗フィスドガレスは虐待はしていません」「きちんと動愛法を守っています」そんなこと信用できません、通用しません。一般公開されているフェイスブックのフィスドガレスの投稿記事に、容疑者の電話番号が記載されているハロウィンパーティの告知がありました。

    この事件を知って、最初に感じた事

    私たちが最初に感じた事は「またか」です。そして飼育していた頭数が2階建て66㎡の床面積に400頭と聞いて「正気の沙汰ではない」「そんなに管理できるわけがない」と思いました。いや、誰でも思うでしょう。

    続いて湧き出た感情が「怒り」です。もりたさんちのマルチーズは大変怒っております。まさにブリーダーの面汚しです。この犬舎およびブリーダーは犬を家畜程度にしか思っておらず、その価値観を引きずって長年、業界をダメにしてきました。しかも何度もドッグショーに出陳していたのです。これらの事を踏まえると「ドッグショーにチャレンジしているからといって、シリアスブリーダーとは限らない」ということです。注意しましょう。

    特に酷いと思った動画

    あえて出しますが、この動画「マルチーズじゃないの?」本当にショックでした。

    (動画内)女性
    「ぐりっと180度 後ろい向いていて」
    「3年前に落とされて、足を骨折してたんですって」
    「ほんまに犬の事を”モノ以下”やと思ってるなって」

    なぜこのようなモンスターが生まれたのか

    この容疑者の過去を調査してみると、ドッグショーで何度か優秀な成績を残していたようです。或いは最初は真面目にやっていたのかもしれません。良い子犬を作出して犬も飼い主も幸せにしたいという思いが(あったかは知りませんが)、どこかで歯車が狂い、いつしか目的が変異し、良い犬は大切にして、どうでもいい犬は飯の種くらいにしか考えなくなったのかもしれません。恐ろしい事です。さっさと業界から退場して欲しいと思います。私たち人間と犬たち全員の願いです。

    だがしかし、終わってない

    この事件を受けて、この犬舎はどうなるのでしょうか。よく注視していきたいと思います。現在、フィスドシェリーおよびフィスドガレスは、ホームページや各種SNSでなりを潜めて、時間が過ぎ去るのを待っているように見えます。つまり公には謝罪していません。

    このような事実が公表され、逮捕されても、その事実を認めてないのです、終わってないのです。依然として何事もなかったの如く営業を続けています。彼らの価値観は変わりません。この方法でしか運営していけないのです。たくさん作って安く売る、小学生でも考え付きますね。理由は簡単です、足し算しか習ってないのです。

    仮に処分を受けるのは容疑者のみ、第二、第三の後継者があの犬舎を運営していきます。何度も言います。終わってないのです。

    檻の中で殺処分を待つ、多数の悲しそうな犬たち

    戦慄が走ったマッチングサイト業界とペット保険業界

    この事件が発覚したことによって、マッチングサイト運営会社には戦慄が走ったことでしょう。なぜなら、全国の優秀なブリーダーから直接、子犬を譲ってもらえると宣伝していたのに、肝心のブリーダーがこのような形で逮捕されたのですから。結局、登録を許可するためのブリーダーへの検査は形式上だけのことであって、あとは知らんぷり、当事者でうまくやってね、それが実情です。

    大手マッチングサイトを利用しているから安心。そんなわけがありません。大手だから危ないのです。すべてが縦割り、他人事です。最後に見極めるのは「あなた」の鋭い目しかありません。

    容疑者の名前は、現在マッチングサイトではキャッシュしか残っておりませんが、慌てて消したのでしょう。アクセスできなくなっております。

    またペット保険業界でもこのニュースを受けて、この犬舎やブリーダーと契約がないかすぐに調査するよう指示があり、社内でも慌てたと聞きました。こんな連中に自分たちの保険なんて薦めて欲しくないからです。

    わたしたちができること

    わたしたちができる事は、このような犬舎やブリーダーから、その関係者から、その近しい人から犬を買わないことです。

    「類は友を呼ぶ」ということわざが的を得ておりますが、価値観は伝播します。同じような価値観の元で皆、集まり、働くわけです。つまりこの犬舎近辺の人たちは、およそ相対的に犬に対する価値観が低いと予測されます。同じ命でも可愛い犬は大切で、そうでない犬は違うのです。そういう価値観の人たちが集まっているのです。そういった理由からブリーダーだけでなく、その取り巻き(犬が可哀想とは思っていた、酷いことをしていると理解はしてはいたが、働いていた従業員)にも注意する必要があります。

    犬舎やブリーダーの情報をよく調査しましょう

    • ブリーダーの人柄も大切ですが、きちんと情報を発信して、その真偽がわかる状態にしている犬舎を選びましょう。
    • 生体価格の安さをセールスポイントにしているようなブリーダーや繁殖業者はおよそ犬に対する価値観が低いです。モラルも期待できません、注意しましょう。
    • SNSで受けの良いパピーの写真や、ショート動画ばかりを公開するのではなく、自分たちの犬舎の取り組みを定期的に発信している意識の高い犬舎を選びましょう。

    長くなりましたが、以上です。今回はあまり気持ちの良い記事ではありませんでしたね。わたしも動画の内容確認にあたり何度か涙が出ました。

    どうか良いご縁がありますように。