アンナが出産しました
母子ともに健康です
もりたさんちのマルチーズです。大変お待たせしました、ご報告いたします。3月17日の金曜日19時ごろ、アンナが女の子と男の子、2頭を出産しました。
最初に産まれた女の子は170グラム、次に産まれた男の子は172グラムでした。出産は陣痛を含めると丸半日におよび、本当に壮絶な出産でした。翌日18日には母犬となったアンナと共に産まれたての子犬を連れて、かかりつけの動物病院で診断を受けました。結果ですが子犬は口蓋裂もなく母子ともに健康という判断で、わたしたちブリーダーはひと安心する事ができました。
母性が強いアンナ
今回の出産を通し、アンナはたいへん母性が強いという事がわかりました。私たちが産まれたばかりの子犬が冷えないように手を差し伸べると、アンナに何度でも手を噛まれました。それでも必要な処置ができなければ子犬が死んでしまうので、噛まれて血が出ても子犬を母犬のお乳へ持っていくという事を繰り返しました。
不思議なものでアンナは我が子を踏まないように、我が子が冷えないよう覆いかぶさるように、守るように、自分のお乳を与えていました。かかりつけの動物病院の先生も「子を産むと急に母になる、不思議ですよね」と、わたしたちも本当にそう思います。出産までは育児放棄なども想定し、3時間おきにミルクを与えなければと打ち合わせしておりましたが、どこ吹く風、アンナがすべて世話をしてくれるので私たちは犬舎の清掃や、アンナの不足した栄養を補うような食事やサプリメントを用意するのみと、産後は非常に楽をさせてもらっています。
ありがとう、アンナ。
素直に喜べない今回の出産
もしブログをよく見てくださっている方がいらっしゃれば、気づいているかもしれません。今回、本当は4頭出産するはずでした。3頭目と4頭目は息をせず、私たちは泣きながら「生きろー!」と叫び、絶対に息を吹き返すと信じて1時間近く、あちこちに電話しながら蘇生を試みましたが救えませんでした。
ブリーダーという仕事をしていれば、このような事もあるとアドバイスをもらいましたが、よぎるのはあの時、あの蘇生方法が間違っていたのでは?事前に帝王切開を選んでいれば救えたんじゃないか?もっと栄養のあるものを与えていれば?と亡くなった子犬たちに対する後悔の念です。
動物病院の先生はどの時点で駄目だったのかは誰にもわからないという回答でした。帝王切開を最初から選んでいたら助かりましたか?という問いに対しても、それはわからないと即答でした。
出産翌日の18日、かかりつけの動物病院に診断を受けた後、家族で宇治にある動物霊園に、2頭を弔ってまいりました。亡くなった子犬に家族で「おもち」と「さくら」という名前を付けました。札名というのでしょうか、わたしは「救えなくてごめん、あなたたちの死は無駄にしません」と書きました。せっかく産まれてこようとした命に意味付けをしてあげたいと思って書きました。おもちとさくらは、ブリーダーを仕事として選択した以上、必ず遭遇する死産という経験を試練として与えてくれました。それを無駄にせず経験として糧として次に繋げていく、そういう思いで2頭を弔いました。
2頭を想い、お焼香をあげたとき、それまで我慢していた溢れ出る感情がありました。どうか安らかに、産まれてきてくれてありがとう。